学校長挨拶
本校は昭和24年(1949年)4月,石川師範学校と石川青年師範学校に併設されていた中学校を統合し,石川師範学校附属中学校として,現在,金沢21世紀美術館のある金沢市広坂の地に開校しました。その後,幾多の変遷を経て,平成7年(1995年)に広坂から平和町に移転し,平成20年(2008年)に名称を金沢大学人間社会学域学校教育学類附属中学校と変更し,現在に至っています。
その間,国立大学附属学校として,一貫して我が国の前期中等教育を進化発展させるための研究を行う重要な役割を担って参りました。研究の諸成果は生徒に対する日々の教育活動に存分に活かされ,その先進性と高い水準を全国に発信しております。またこうした研究活動と共に,多くの教育実習生たちも受け入れ育ててきました。本校の実習を経て活躍している教員は相当数にのぼっており,北陸三県を中心とした教育現場に大いに貢献して参りました。
本校は,教科等の指導や評価の在り方の研究に力を入れ,これまでに国・社・理・音・英の各教科で国立教育政策研究所の研究指定を受けてきました。また,同研究所の研究指定を受け,平成26・27年度(2014・15年度)にESD(Education for Sustainable Development),平成29・30年度(2017・18年度)に伝統文化教育の研究に取り組みました。そして,教科等の研究に力を注いできたことを基盤に,ESDや伝統文化教育の枠組みの中で,教科等横断的な学習の在り方について研究をすすめ,教科等の間で,内容的なつながりや資質・能力的なつながりを図り,その成果を広く発信することで,国立大学附属学校としての使命を果たしてきました。
現在は,文部科学省の研究開発学校に指定され,「個々の持つ強みを協働させて『新たな価値を創造する資質・能力』を育成する新設教科『創造デザイン科』の在り方」に関する研究開発に取り組んでいます。令和3年度(2021年度)から指定を受けており,今年度が指定最終年度となります。全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現を目指し,令和の日本型学校教育の在り方について提言を行うことができるよう,学校全体で取り組んでおります。
学校教育目標にもありますが,本校の自由闊達な気風を活かし,その中で,広い視野と豊かな人間性を持ち,将来,社会的使命を果たす人材を育てていきたいと考えております。
校長 戸水 吉信