ごあいさつ 令和6年4月

2024年4月
校長 盛一 純平


 新年度をむかえるにあたり、今年1月の能登半島地震で被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。これからの日々も能登の美しさと強さは決して失われることはありません。復興に向けて少しずつとも前進、進展していくことを心よりお祈り申し上げます。

 本校は「共に生きる力を育む」を教育目標とし、未来社会を豊かに生きる力と社会の形成者として多様性と人間愛ある子を育成することを目標としています。
 未来社会とはSociety5.0社会として代表されるようなスマート社会のみをさすのではありません。時には再びこのような災害に見舞われ災害から社会を守り、復興をめざしている未来かもしれません。または国際的な問題が顕著化しよりグローバルな思考が必要な社会かもしれません。さらには地球の枠には捕らわれず宇宙に活躍の場を求めているかもしれません。社会の激しい変化の中で予測困難な事象が発生しあらゆる環境が複雑化するVUCA社会であることに違いないことでしょう。
 そのような未来社会の中でさまざまな予測困難な課題にたくましく立ち向かい豊かに生きるために、めざす児童像であげている 主体性(人と関わり進んで学ぶ子) グリット(自ら行動しやり通す子) 人間愛(自分を人を大切にする子)を生きる力とし、多様性を尊重し協働する力を「共に生きる力」として教育活動全体で育んでいきたいと考えています。いずれも未来社会を豊かに生きるために必要な力を育てたいという願いを込めています。そのために今年度も「金沢モデルアクションプラン」をよりすすめ社会の課題を探究し克服しようとする新しい教育の価値を追究していこうと考えています。
 
 明治7年創立の本校は今年度150周年を迎えます。この間多くの卒業生を輩出しています。数々の社会貢献をされてきている多くの方々がおられることはいうまでもありません。学びの原点、夢が生まれたこの附属小学校で、今年もまた未来に生きるたくましい子たちが育ってほしいそう願っています。伝統ある本校の学びを基に新しい学びを創造し、未来に向かって生きがいをもって学べる学校にしようと思います。
 どうぞ今年度も本校の教育活動にご理解をいただき、皆様のご支援を賜りますようよろしくお願いいたします。



ごあいさつ 令和5年4月

2023年4月
校長 盛一 純平

うららかな春の日、ようやくマスクなしの新入生を迎えました。
春の訪れとともに子どもたちの笑顔に心の春も迎えたような気がします。巷ではコロナ前にもどってきたというような言い方も聞かれますが、コロナ後はコロナ前とはちがいます。この3年間行動制限に我慢しながらも行ってきた新しい生活習慣の中では今までなかったような新たな発見、創造も多くありました。学びにもGIGAスクール構想が進みひとり1台端末をもつことにより、新しいコミュニケーションがうまれました。また困難の中でどうすればよいかと考え創造し課題解決をする習慣も得ました。この期間は耐えただけの日々ではなく、新たな思考が生まれ、未来へ向けて新たな扉をあけた日々と考えます。扉の向こうには、輝く未来への道がつづいているのです。
 さて未来への扉をあけた今年度です。令和4年度から「附属学校園未来構想 society5.0を豊かに生きる資質、能力の育成金沢モデルアクションプラン」を本格的に進めてきました。未来社会を生きるために今必要な力を附属学校園が連携して段階的につけていこうと考えています。昨年度の社会イノベーション創造プログラムでは総合的学習の時間を中心に探求力や創造力 表現力を磨き課題解決をすすめてきました。答えのない社会的課題に対し、行政や一般企業の方々をパートナーとして共に問題に向き合い解決を模索し、具現化していきました。子どもたちの喜々として社会の多様な他とつながり問題解決していく姿に子どもたちの未来への可能性を感じました。
 令和5年度もさらに金沢モデルを推進し、「共に生きる力を育む」の教育目標にむけて未来社会を見据えた教育を進めて参ります。多様性を尊重し活用できる力を原動力にその基盤となる人間愛ある人と人とのつながりをも未来への力として大切にしていきたいと考えます。コロナ後の未来への扉をあけた本校は、学校の新たな価値を創造すべく人間愛ある子どもたちと共に挑んで参る所存でございます。
どうぞ今年度も本校の教育にご理解いただき、ご支援ご協力をいただけますよう心よりお願い申し上げます。        


附属小学校校歌


ごあいさつ 令和4年4月

2022年4月
校長 盛一純平

 今年も満開の桜に彩られ 入学式、始業式をむかえることができました。令和4年度のスタートです。本年度もどうぞよろしくお願いいたします。 昨年度も子どもたちは、コロナ禍の中で学校生活も制限、縮小を余儀なくされる中,主体的に感染症対策をとりながらの新しい生活様式も日常化してきました。同時にGIGAスクール構想も進み、ひとり一台のICT端末の利用も日常化してきました。またその環境の中でも工夫しながらの活動でコミュニケーション力をつけ「共に生きる力」を着実に身につけて来ているように感じます。今年度もコロナ禍に悲観することなくこの教育目標のもと「多様性の活用力の育成」を方針に未来社会を豊かに生きる力と人間愛のある子の育成に取り組んで参ります。
 今年度はとりわけ外国人児童を受け入れる日本語適応教室「さくら」と主にソーシャルスキルを学ぶ通級指導教室を金沢大学と連携して開設し、さらに多様性のある学校を構築していこうと考えています。また「さくら」「かしわ」とも今日的課題を解決するあらたな視点を試みる学級でもあり、研究を深め先進的モデルになりうることを期待するところであります。
 また、今年度から、5校園の連続性・特色を生かし、Society5.0を豊かに生きる資質・能力の育成を研究テーマとする「共通研究」、一人一台端末の活用をベースに学びのEBPMを促進させる「先端技術・教育データの活用」、学びのSTEAM化に向け実社会の課題解決を授業過程に位置づける「社会イノベーション創造授業」を3本柱とした未来教育モデル(金沢モデル)を展開します。ICTのさらなる効果的活用を追求したり、行政や民間企業等の外部の人や組織と課題を共有し主体的、探求的に課題解決を行う授業を展開していこうと考えています。これらの取り組みが必ずやますます予測困難になる未来社会を豊かにたくましく生きる力につながると信じています。
私たちはこれらを念頭におき、何より子どもたちが今を生きる小学生時代が日々豊かに学びあえる学校、そして小学生時代に未来に生きる学びがある学校づくりに努めて参ります。
令和4年度も本校の教育にご理解 ご協力を賜りますよう心よりお願い申し上げます。  

本校のシンボルのかしわの木
長い冬を乗り越え希望の若葉をむかえる
かしわ葉



ごあいさつ 令和3年4月

                                 2021年4月
                                 校長 盛一純平

 令和3年度も感染予防を講じながらの始まりとなりました。それでもいつもと同じように桜はピンクの花吹雪で、かしわの木はみずみずしい若葉の香りで子どもたちを迎えました。
 昨年度は「行かない(3密をさける)すわない(換気 マスク)さわらない(手洗い)」を指導標語とし時と場に応じて主体的に感染予防策がとれるように指導、支援をしてきました。そして子どもたちは、今置かれている状況の中でもよりよく生活するためにはどうすればよいか考え実践してきました。それが主体的に工夫して進めた運動会や6年生を送る会などの行事の実現、全校での「かしわっ子手洗い歌」の制作などにあらわれていました。そこには生き生きとそして喜々として取り組む子どもたちの姿がありました。
 長い休業があけて「学校に来てみんなとする普通のことが全部楽しい」と登校してきた子が言った言葉が、笑顔が、忘れられません。人はかかわりを求めている、人とふれあうこと、人の中で生きていくことに喜びを感じ、そこに主体的に成長しようとする気持ちが生まれてくる、「人は人の中でこそ成長する」ことが今も未来にも普遍的であると改めて思いました。
 さて、今年度も「共に生きる力を育む」を教育目標とし、多様性の活用力の育成を教育方針にSociety 5.0時代を豊かに生きる人間愛ある子の育成をめざしていきます。また研究では「汎用的コミュニケーション力の育成」を進めます。研究成果は研究プラットホームで発信し、全国の教員の知見をあつめながら進めていこうと考えています。昨年度からの状況下においてこそ本校の人とのかかわりを大切に進める道が、さらに価値のあるものになったのではないかと思います。さらにはGIGAスクール構想の実現や教育に対する今日的課題に取り組むために先導的モデルになるべく学校改革にも取り組んで参ります。
 今年度も国立大学附属学校としての使命を果たすべく本校の教育にご理解とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

今日も子どもたちは「あいさつ日本一」と「なおありがとう」の気持ちをもち元気に登校してきます。



ごあいさつ 令和2年4月

                                2020年4月
                                校長 盛一純平

このような年度のはじまりは記憶にありません。日ごとに変わる状況報告に心が潰れそうになってきます。あわただしくそして不安な令和2年度のはじまりとなりました。今,私たちは未知のウイルスと世界が一体となり戦いつづけています。
こんな状況下でこそ私たちは変化に対処し,新しいことを学び,馴染みのない環境でも心の安定を保ちながら,解決に向けて歩んでいかねばなりません。
 子どもたちも長い休業措置,自粛生活が続いていますが,自らを守りながらも社会の一員として自覚を持ち行動してほしいです。答えのない課題に立ち向かい,協働し最適解を導き出す姿,まさしく未来社会に求めている力を目の当たりにしている子どもたちに,この経験が必ずや未来に生きる力となってくれるはずと願っています。
前線で頑張る医療関係者をはじめ立ち向かう勇敢な人々に心より感謝申し上げます。一日も早く明るい日常にもどることを願ってやみません。

さて,未来に「共に生きる力」を育むことを教育目標にして3年目をむかえます。今年度も附属学校園を連携してつながりの中で研究,教育を進めて参ります。
Society5.0時代を生きる子どもたちに必要な力を「多様性を活用する力」と位置づけ,今年度も教育活動全体にMake difference, Make harmony を機能させ取り組んでいきます。教室では対話のある授業をデザインするため,ICTをより効果的に使えるように,またグループでの協働がしやすいようにclassroom for next stageと銘うち環境整備を行いました。また異年齢による授業や外国人との交流をすすめるなど,授業はもとより学校生活の中でも様々な形で多用な考えに身を置く場づくりをし,多様性の活用力を養っていこうと思っています。今年度は特に「コミュニケーション力」に重点を置き,この力が一定の場だけに発揮されるのではなく様々な場でも発揮できる「汎用的な力」に成長していくことを理想と考えています。

令和2年度,今こそ「共に生きる力」が求められています。今を生きる子どもたちの未来に活躍できるステージをつくるためにも,この苦難な状況を全世界の協働で乗り越えていかねばなりません。「明日のために今を」共にがんばっていきましょう。
 今年度も本校の教育活動にご理解いただき,皆様のご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。