2015年度 研究総括

☆今年度の研究実践を通して,「考える子を育む」ことができていたか
12月9日 研究全体会で,以下のような総括を行いました。
これまでの研究実践,研究発表会参加者からのアンケート,共同研究者・研究協力者からの指導が,総括のよりどころです。

 子どもは,魅力的な(興味のある)題材との出合いによって,「問い」を多様な方法で解決していく楽しさを感じていた。また,自分の学びを自分の生活と結びつけて考えることができていた。
 また,学んだこと,考えたことを「伝えたい」という思いをもって話し合いを行い,協力して学ぶ中で「できる」「考えが深まる」ことを実感していた。
 そして,「わかるようになっていく(できるようになっていく)」過程を実感しながら「わかる(できる)ようになる」楽しさを味わい「こだわり」をもって学ぶようになった。
 このように「学ぶ楽しさを味わう」ことで,子どもの学ぶ意欲は高まり,子どもは自分の思いをもとに曖昧な部分を明確にしようとしていた。
 また,主体的に事象や自分の生活と向き合い根拠を探っていく過程で,「問い」や「こだわり」を解決する方法を「考える」ようになっていった。
 学んだことを自分で選択し活用する場面においても,相手意識をもって伝え合うようになった。さらには,協働で学ぶ意識をもち,自他の比較から,自分の考えを更新することができるようになっている。
 このことから,「学ぶ楽しさを味わう」ことで「考える子を育む」ことができつつあると言える。
 

 「考える」と「考えさせる」の違いとして,子どもに必要感や必然性があるかがポイントとなることや,「考えている」ことを子どものどのような姿から読み取るのかなど,今後の研究実践に向けての課題も多くあがりました。
 「考える子を育む」ことは一朝一夕にできるものではありません。日々の学習を通して,「考える」経験,「考えてわかる(できる)」経験を積み重ねることが重要になります。そのために,わたしたちがしなくてはならないことを今後も模索する必要があると改めて認識しました。
 「問い」や「こだわり」をもとに対象,他者,自己と向き合い「学ぶ楽しさ」を授業の中で味わうことができるように,そして,子ども自身が「学ぶ意欲」を高めることができるように,今後も子どもを支えていくことを継続していくことで「考える子」を育んでいきたいと思います。