研究主題 「よりよい未来を志向する子の育成」

研究主題「よりよい未来を志向する子の育成」
 研究発表会まで,あと10日となりました。発表会に向け,本年度の研究概要についてご説明します。
 はじめに,研究主題「よりよい未来を志向する子の育成」についてです。本研究主題は平成29年度からの2年次の研究主題となります。

⑴ なぜ「よりよい未来を志向する子」か
 私たちが育てていきたいと考える子どもは,主体的に学んでいこうとする子どもであり,これから先の未来を切り拓いていける子どもです。自ら進んで学ぶことができる子どもは学校社会から巣立ってからも,変化の激しい現代社会を生きぬき,社会の中においてもたくましく,学び続ける人となっていくと考えるからです。
様々な方法で情報を獲得することができる今,その多様な情報の中から,必要な情報を選択・判断し,目的に応じて活用できる力が必要となってきます。そのために必要なことが「よりよい未来を志向する」ことです。子どもが直面した課題や設定した目標をしっかりと把握して,その課題や目標に対して「自分がこうしたい」「こうなりたい」といった思いをもち,具体的にその姿をイメージし,今から未来永劫へと,仲間とともに試行錯誤をくり返して行動していくことです。

⑵ 「よりよい未来を志向する子」とは
 1年次までの研究実践から,「よりよい未来を志向する」には次のような姿があることが明らかになりました。
○教師が子どもにとっての必要感,子どもの願いや思い,単元終末時の子どもの姿などをより具体的にイメージして,単元や授業を考えることで,子どもが課題や目標に向かって学び続ける原動力へとつながりました。
○教師が新たな視点を与えたり,他とのかかわりの場を設定したりすることで,子どもはいくつもの事象から物事を多角的に見て判断していく姿や,友達と思いや考えを共有しながら自分の作品や検証方法,考え方を見直し,よりよくしようと試行錯誤する姿が見られた。また,自分の思いや考えだけにとらわれるのではなく,グループやチームやクラス全体のことを考え,その中でのよりよいものをつくり上げる姿も見られました。
○教師が日常生活の中にある場面を想起した問題を提示したり,生活場面をふり返ったり,子どもの疑問を引き出す事象を提示したりすることで,子どもは追究の必要感が生まれ,自分の思いや考えを具体的にしてもつことができました。

 本校では,これらの姿をもとに,「よりよい未来を志向する子」を次のように定義しました。
・学習に対する課題意識・目的意識をもち 学び続ける子
・友達と思いや考えを共有しながら 多様な視点から自らの思いや考えを更新する子
・今までの学びを実生活や実社会に広げ 自らの思いや考えを未来の自分へとつなげる子
た。

 研究発表会では,各教科の授業を通して,上記のような「未来を志向する子」の姿を提案いたします。

⑶「よりよい未来を志向する子の育成」とは
 子どもが「こうしたい」「こうなりたい」という,子ども自身の思いをもち,具体的にその姿をイメージし,今から未来永劫へと,仲間とともに試行錯誤をくり返して行動していく子に育んでいく必要があります。そのためには,子どもが「こんな自分になりたい」と未来の自分を想像する経験をくり返し行っていくことと,教師が「こんな力をつけたい」と未来の子ども像をもち続けることとが互いに関連し合うことによって,よりよい未来を志向する子が育まれると考えています。