3年 分数~設計図をよみとこう~
単位量に満たないはしたの量を小数を用いて表す学習をしてきた。ミニ花壇をつくる設計図の中に小数を取りいれて学習を進めてきたところである。設計図にかかれていることをよみとき、わからないことをみんなで考え、考えたことを実際に形にするということを繰り返す中で小数の概念をつくりあげてきた。分数の学習でも同様に、ミニハウスをつくる設計図の中に分数を取り入れて進めている。第2学年で学習した操作分数と第3学年で学習していく量分数を対峙させながら、現実の世界(設計図をよみとく)と数学の世界(分数の概念)を行き来するように学習をデザインしていくことにした。
第1次2時では、1/4m、1/5m、1/3mをつくるために、どうやってつくっていけばいいか話し合った。前時までとの違いとして、単位がなかったものから、単位があるものになっていることに子どもたちは気付いていた。
まずは、「どれをつくるのが一番簡単なのか?」と問うと、「1/4mなら、折るだけでできる。」「そのために、何がいるのか?」と問うと、「長いテープ。」となんとなくのイメージで答えていた。「長いテープとは?」「40m」「10m」「1mでいい」「1mでいい理由は、1m=100㎝だから・・・」下位単位で表せることに話が移った。1/4mは、4つに折ればできるし、下位単位で表すこともできて、簡単につくれるということが小さなまとめとなった。このまとめをもとに、1/4mを実際につくってみた。「簡単!」
次は、「どれがつくれそう?」1/3mでも1/5mでもどちらでもいいという子もいれば、1/5mじゃないとだめだという子もいた。「1/5mなら、100÷5=20ができるから20㎝はかればいい。」小さなまとめをした後、1/5mをつくることにした。簡単に折ってつくれると思っていた子どもたちだったが、実際にやってみると、折ることができないことに気付く。だから、20㎝をはかりとっていくしかないのだと結論にいたった。
最後に1/3mをつくることにした。100÷3は割り切れない、つまり、下位単位では表せない、折るのもぴったり半分の半分とやっていくことはできない。なかなか難しいことに気付く。
「1/4mは簡単とか1/3mは難しいとか声が聞こえてきたけど、1/4m、1/5m、1/3mは何がちがうの?」と進めていった。簡単に半分半分と折れるものと折れないもの、わり算をして下位単位で表せるものと表せないものによって簡単につくれるものとつくれないものがあることがわかってきた。これらを比べながら、実際の紙テープをつかったり、言葉をつかったりして根拠をもって説明する姿となっていた。
分数を①つかう②表す③比べる④かえるの視点で分数の概念をつかんでいけるように今後もデザインしていく。その視点を根拠に判断し直し、数学の事象について操作分数、量分数、小数など統合的・発展的にとらえ、分数の概念を一般化できるようにしていきたい。