4年1組 谷本克典 顔・かお・カオがいっぱい “顔・かお・カオ コレクション”


本題材における知識創造
自分が発見した「顔」をもとに その見方・感じ方を観点にして互いの「顔」を見合ったり 「顔コレクション集」をつくったりする活動を通して,多様な見方・感じ方をつなげ,自らの見方・感じ方を広げ 更新していく営み



(1)本題材における「かかわり」の活性化
 本題材での活性化の中心場面は【鑑賞Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ】を想定している。各場面の活性化は以下の通りである。
【鑑賞Ⅰ】:自分が発見した「顔」以外の他が発見した「顔」を見たい、知りたいという思いの表れである。
【鑑賞Ⅱ】:子どもはお気に入りの「顔」を「どうしてそう感じたのか」を根拠を明らかにして交流する。ここでの「かかわり」の活性化は、「私はあなたと同じように感じた」「私はあなたと違うように感じた」という思いを互いに交流し、明らかになった自分とは違う感じ方の根拠を求めていることである。
【鑑賞Ⅲ】:自らが設定したテーマに合う「顔」を探す際の自分の見方・感じ方と相手の見方・感じ方との差異から生まれる、自らの新しい見方・感じ方とそれらへの共感を求める思いの表れである。



(2)本題材における「かかわり」を活性化する手立て
 ア.自分の思いや意図を持つ場で:【鑑賞Ⅰ】と【鑑賞Ⅲ】が中心となる。【鑑賞Ⅰ】では、「誰かに見つめられているような気がするあるある体験」を話し合い、図工室にある「顔」の存在を明らかにしたい。そして、「他の場所にもあるか」「見つけられそうか」と問い、顔探しの意欲を高めたい。一人一台のデジタルカメラを準備し、自分だけが見つけた「顔」となるようにする。そうすることで、友達が見つけた「顔」を見たい、知りたいという思いが高まっていくと考える。また、撮影時に、感じたこと、考えたことなどを簡単にメモできるようにして、その時々の思いを残すようにし、【鑑賞Ⅱ】での活動に生かしていきたい。また、【鑑賞Ⅲ】では、自分のテーマをはっきりともつことが重要となる。そのために、どのようにしてテーマを設定するかを全体の場で、教師の「顔」をもとに違う感じや逆の感じ、同じ感じで子どもと共につなげ、テーマ設定の方法をみんなで共有できるようにしていきたい。
イ.感じ考え表現する場で・ウ.価値観を広げ更新する場で:【鑑賞Ⅱ】では、【鑑賞Ⅰ】で撮影した「顔」からお気に入り1点選び、感じの根拠を明らかにして、互いの見方・感じ方を交流する。その際、クイズ形式でお気に入りを紹介し合う。根拠となるものの視点は、全体の場で一つのモデルをつくり上げることで、共通のものになるようにする。【鑑賞Ⅲ】では、各自が設定したテーマをもとに「顔」を集める。物々交換(一対一対応)をルールとすることで、交換のために相手を納得させようとこれまでにない新しい見方・感じ方を生む必要が生まれてくるだろう。交流が活発になるのではないかと考えている。
エ.今の自分の価値観を認識する場で:毎時間に「見て感じて考えたこと」をワークシートに記入し、自分の見方・感じ方の変容やその理由を観点とした自己評価活動を行う。【鑑賞Ⅰ】では、発見の驚きや面白さを、【鑑賞Ⅱ】【鑑賞Ⅲ】では、見方・感じ方の根拠やその広がりを、【製作・評価】では、一連の活動をふり返り「変わった自分」「新しく発見した自分」を視点に、学習を通して発見した、自分ならではのもの、自分にとって新しいものは何かを問う。そうすることで、「かかわり」の有用性に気づくことができるようにしていきたい。そのことが、これからの学習の中で「かかわり」の活性化を生むと考えている。