3・4年複式 北川忠 かがやけ、ぼくの命、あなたの命


目指す知識創造
かがやけ、ぼくの命、あなたの命
 3-(2)生命尊重  関連項目4-(3)家族愛 



(1)  学習計画における「かかわり」の活性化
生まれたときの様子や、環境が異なるのだから命のとらえ方は
さまざまである。人それぞれの命のとらえ方に正邪やまちがいはない。
本学級の子どもたちはみな、望まれ、祝福されて生まれてきた
子どもたちである。ならば自分の命と同じようにどんな命も尊重
されるべきである。友だちの考えと肯定的な態度で「かかわる」とき、
自分の中に存在しなかった命のとらえ方が次々と入り込んでくる。
このときが活性化である。



(2) かかわり」を活性化する手だて
・資料選択、提示方法、導入の工夫
  ねらいとする道徳的価値について明確にさせるために、命を中心とした
ウェビングを行い、学習の前段階で子どもがとらえている命のイメージを
明らかにさせておく。また、子どもの実態に適した資料として「ドラえもん」
からのび太が生まれたときの様子についてかかれた資料を用いて、次に
続く自分へのフィードバックにつながりやすくする。
・ペア活動、グループ活動を効果的に使用し、差異に気づかせる子どもが、
自分とは異なる友だちの考えを聞いてみたいと思ってこそ、「かかわり」は
活性化される。そのために「かかわり」のグループ作りには、事前に調査した
役割取得能力の、発達段階が異なる三人グループを基調として行うことで、
様々なとらえ方や考え方が表出しやすくなるのである。構成的グループエン
カウンター(以下エンカウンター)はねらいとする道徳的価値を明確にした上で、
ねらいを達成するために用いることにより、自己肯定感を育て、子どもの人間
関係力を育てるために有効な手法である。その具体的手段の一つである
ロールプレイングは、子どもの多様な考えをペアを使ったかかわりによって
引き出し、発表させる手法である。共に相手の考えに対して肯定的態度を
取りながら行う。子ども同士のロールプレイングは、子どもの素の言葉を引き
出すことができる。これによって子どもは、「自分」の視点と「相手」の視点を知る
ことができ、代表者に再演または、代演してもらうことで、外側から見る視点
「第三者」の視点も知ることができる。このような手だてを取ることで、子どもは
自分との差異に気づきやすくなる。
・「かかわり」の有用性を自覚させ、シェアリングにより、定着をはかる。
「自分」だけの視点から考えていた初めの行動と、「相手」「第三者」の視点を
経験した後では、自ずから考え方が変わってくることもあるであろう。また、
「なぜ、そのように考えたのか」という理由を聞くことで、さらに新たな気づきが
生まれやすくなっていく。考えが変わった子どもも、変わらなかった子どもも、
とらえ方や考え方の広がりと深まりを知ることにより、自分が持っていた既知の
道徳的価値に対して振り返ることができる。このようにしてペアや集団という
様々なかかわりを通じて、子どもの道徳的価値の広がりと深まりへつなげて
いきたい。