4年1組 空気と水の性質を調べよう


本単元の知識創造

ペットボトルロケットが飛ぶ仕組みを追究することを通して 圧された空気や水の性質についての見方や考え方を構築していく営み





本単元における「よさ」

本単元における知識創造のプロセスの「よさ」は二つある。一つは、子どもが空気や水の性質について、自分の見方や考え方をモデル図に表すことである。もう一つは、そのモデル図を使って、友達と説明し合うことで、空気や水の性質についてより客観的な見方や考え方を構築することである。





「よさ」の共有のための手だて」

① 可視化
ペットボトルロケットが飛ぶ仕組みについてモデル図に表すことを、本単元における可視化と考える。子どもが自分の考えをモデル図に表す場面は、仕組みを仮説する場面と空気や水の性質を理解した上で考察する場面の二つを設定する。
空気や水のような見えないものをモデル図で見えるように表すことで、思考が整理され、時間的、空間的な変化の説明が、容易になると考えられる。
本単元ではワークシートを使い、時間的な変化について飛ぶ前・空気を入れた時・発射した時の三段階に分けてモデル図をかかせたい。そうすることで空間的な変化を主眼において、空気の収縮や圧し返す様子、水の収縮しない様子などの自分の見方や考え方を空気モデルや水モデルの変化で、表すことができると思われる。
また、モデル図を使うことで、仮説場面と考察場面で自分の考えを比べることができる。そうすることで、圧せられた空気や水の性質における見方や考え方の変容が明らかになり、より客観的なものとして構築できたことが分かると考える。

② 「かかわり」
 仮説と考察の二つの「かかわり」の場面において、三つの手だてを用いる。一つは、モデル図を使って、グループ内で飛ぶ仕組みを説明したり質問したりすることである。このことから、自分の考えとの共通点や相違点を見い出すことができると思われる。しかし、グループ内での「かかわり」では、見方や考え方のよさまでは、なかなか気づかない。そこで、二つ目の手だてとして、モデル図に表れている見方や考え方の違う子どもに、全体の場で説明する時間を設けることである。また、三つ目の手だてとして、その時間に、教師が子どもの考えに対して、共通点や相違点を明確にしたり、見方や考え方のよさを取り上げたりすることで、評価・価値付けを行うことである。その上でもう一度自分の考えを見直すことにより、空気や水の性質についての見方や考え方が、より客観的なものとして構築していくと考える。

③ 実践的自覚へのデザイン
 本単元ではペットボトルロケットの飛ぶ仕組みを考える二つの場面で、モデル図をかかせるが、それ以外検証実験の場面でもモデル図を利用していく。その場面では、フォーマットのあるワークシートは使わず、ノートにモデル図をかかせることで、グループでの話し合いや全体での発表に役立てていきたい。モデル図を繰り返しかくことで、子どもは後半の単元である『水の3つのすがた』や『もののかさと温度』においても、モデル図を自然にかけるようになる。そして、ものの性質について、より客観的な見方や考え方が構築できると考える。さらに、4年生でモデル図の基礎を習得することで5年生の『もののとけかた』や6年生の『水溶液の性質』において量的変化や化学変化の理解につながっていくだろう。
 また、空気鉄砲やボールなどの日常にあるものにも、モデル図を活用して表すことを行っていきたい。そうすることで、日常生活における空気や水の性質を使った道具に興味をもって、考えをめぐらせる姿が見られると考える。そして、以後の単元においても、得た知識を日常生活と結びつけて活用することを行っていく。




※ 学習指導案 ダウンロード


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