6年3組 レッツトライ!~夏休みホームプロジェクト~
本題材における知識創造
夏休みの自分の生活をよりよくするために 1学期の学びをどのように活かしたらよいかを考え 工夫して実践し 生活に活かすよさに気づいていく営み
本題材における「よさ」
本題材は、1学期の学びを受けての発展題材である。これまでの学びのプロセスの自覚を子どもがしないと成立しない題材である。また、学んだことを自分で考え計画して自分の生活に活かしそのよさを実感し、できた自分に喜びを感じることができる題材でもある。すなわち題材そのものがプロセスの自覚を促し「よさ」を認知し、実践し実践的自覚を促す道を辿る。ホームプロジェクトの計画を立てるまでは教科論で述べた一つ目・二つ目のよさであり、夏休みの家庭実践が三つ目・四つ目のよさであり、実践交流会が実践的な自覚を促していくこととなる。これを本題材の「よさ」ととらえる。
「よさ」の共有のための手だて
ア 可視化
1学期の学びをふり返る場では、まず自分のこれまでのワークシートを見直したり、今の自分の生活実態を見つめたりする時間を設定する。それをもとにみんなで話し合い、個々が考えていることや獲得したことをみんなで見合えるようにする。学び方や考え方、新たな知識や技能、生活に活かす工夫などの視点を明らかにして「よさ」を価値づけていく。
自分の夏休みの課題をつかみ課題解決の見通しをもつ場では、これまでの自分の夏休みの過ごし方をふり返る。日記(以後「あゆみ」)を読み返したり家の人が自分の生活の仕方をどのように考えているか、何を願っているかをインタビューしたりする。子どもは家庭生活における家族との関係や自分の存在を意識して課題をもち実践に向かう意欲が高まると考える。
実践交流会では、レポートや写真や具体物等を使いながら発表し、実践の内容や様子、感想等が聞き手に伝わるようにし、友達のプロジェクトから「よさ」を共有できるようにする。
イ 「かかわり」
グループで自分が得たことや困っていることなどを出し合うと共に、その内容や成果を全体で出し合い1学期の学びをふり返らせる。自分の学びに友達の学びが加わり、自分の学びの評価を意識させることにもなると考える。
実践計画を立てる際は、まず自分なりにできそうなことを書き出させる。それを元に友達と実践の方法について話し合い付加や修正などを行って、実践の見通しを持たせ自分もできそう、やってみようという意欲を喚起する。実践ができるだけ単発に終わるのでなく長期休暇を生かした取り組みとなることにも注意を促す。
実践交流会は、全体で行い友達の工夫や成果に着目した感想を述べ合うようにする。各家庭の事情等により実践内容には差異が見られると思うが、全員が必ずよいところを認められるように配慮し自己有用感を損なわないようにしたい。
ウ 実践的な自覚へのデザイン
家庭にもこの実践のねらいや取り組みの内容を知らせ協力を仰ぐ。実践したことはレポートにまとめさせる。実践記録を残すことで自分が行ったことや工夫したこと、気づいたことが明確となり、そこからさらなる課題を見出し工夫を重ねていく主体的な実践への発展や、技能の習熟が期待できる。家の人からのコメントももらい、役に立つ喜びが感じられるようにする。
実践交流の場では、友達の実践を自分と比較しながら聞くようにし、自己評価と他者評価を交えてふり返り、つぎの実践に活かしていく。そして、できるようになった喜びや学んだことを家庭生活に活かす意味、実践方法の工夫を学級全体で共有し次の学習や実践への意欲を高めたい。
このように、学んだことを生活に生かす経験の積み重ねが、プロセスの自覚につながっていくと考える。
※ 指導案 ダウンロード