道徳科理論


道徳における知識創造

道徳的課題と向き合い 「ひと・もの・こと」とかかわることを通して道徳的価値の意味や重要性を理解し 自分の行為について思考する 営み発展として より善い行為や生き方を 追求し実践しようとする 心情や思考を培うことを含む




道徳における「よさ」

思考のよさとは、多様な道徳的価値を学び、それらの共通点を結びつけて、より一般化された道徳的価値を生み出すことである。例えば、子どもが、「思いやり」と「友情」という道徳的価値の共通点は「相手のことを考えること」だと考え、この価値を自分の行為に生かしていこうとすることである。
 自分の行為を決定するあらゆる場合に、道徳的価値や自他の損得を考えたり、他者の助言を求めたりすることは、実際にはできない。また、核家族化が進み、地域の人々とのかかわりが少ない現代では、生活知、知恵、分別に含まれるような、行為の道徳的な原則を子どもが実生活で学ぶ機会は少ない。特に、本校の子どもは、長距離の通学によって、人間関係が希薄で生活経験も少ないことが懸念される。ゆえに、行為の道徳的な原則となる、より一般化された道徳的価値を生み出すことが重要になる。
学び方のよさとは、相手の思考を受容的に聴き、人間理解を深めることである。個々の子どもは、話し合いや聴き合いで、登場人物の欲求や良心などについて意見を伝え合う。これは、登場人物に仮託して、自分の欲求や良心と、それを方向づけている道徳的価値を伝え合うことでもある。
友達と自分の意見が異なっていたとしても、むやみに批判せず受けとめるようにするのは、相手の道徳的価値を尊重し理解するためである。友達の意見と自分の意見との差異から、自分の道徳的価値が明確になることもあるだろう。このような経験を重ねることによって、友達や自分を知り、人間理解を深めることができると考えている。
より一般化された道徳的価値を生み出すこと、相手の思考を受容的に聴き人間理解を深めることは、より善い行為と生き方を実践するために重要であると考える。




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