4年国語「ごんぎつね」②


「兵十が家の中にいたにもかかわらず、ごんはこっそりとうら口から入り、くりをとどけたのはどうしてか」

子どもたちの解釈です。
 ごんはこれまで兵十の家のうら口からいわしを投げ入れたり、兵十が家の中にいるときは、物置の方へ回って、入り口にくりを置いてきたりと、自分の存在が分からないようにして、兵十に対して、可能な限りのつぐないをしていた。兵十に自分の存在がわかってしまうと、兵十に打たれてしまうからである。以前に、「うわあ、ぬすっとぎつねめ」と言われて、どなり立てられたことがごんの頭にあったからである。
 しかし、今回は兵十が家の中にいるにもかかわらず、家のうら口から、こっそり中へ入っていったのは、その前日に、ごんがこれまでつぐないとして届けていたいわしやくりやまつたけが神様のしわざだと考えている兵十に自分の存在をアピールしたいという気持ちがあったからだと解釈していた。
 が、自己アピールとして渡すならば、もっと堂々と兵十の前に出ていって兵十に渡してもいいのではないかと考える子どもも出てきた。そうしなかったのだから、自己アピールのためではないと考え直した。
 そこまでのリスクを背負って兵十にくりを渡しにいったのは、兵十のおっかあを死なせてしまったことを猛省しているごんの気持ちが相当強いことを改めて子どもは感じていた。そういう強い覚悟の気持ちで、家の中に入っていったのだったら、ごんはもしかしたら、兵十に打たれてもよいという死の覚悟もあったかもしれないと解釈している子どももいた。
 また毎日毎日くりやまつたけを届けるのは、おっかあを死なせたことを猛省したからだけではなく、それによって余計に淋しい思いにしてしまい、まずしいくらしをしていた兵十の生活もなんとかしてあげたかったのではないかという考えもでた。

 次は、いよいよクライマックスです。