4年国語「ごんぎつね」③
いよいよ、クライマックス。
「ごんの気持ちは兵十に伝わったのか」を考えました。
子どもたちの解釈です。
ほとんどの子どもは『伝わった』と解釈した。しかし、果たしてそうなのか。ごんの気持ちは、おっかあを死なせてしまったことを申し訳ないという気持ちである。
p21の「火なわじゅうをばたりと取り落としました」の「ばたり」というところから兵十がごんを撃ってしまったことを後悔したことが分かる。
では、どんな後悔なのか、p20の「ごん、おまいだったのか、いつも、くりをくれたのは」という兵十の言葉から、毎日くりやまつたけをくれたのがごんであり、そんなごんを撃ってしまったことを悔やんでいる気持ちが分かる。しかし、ごんのおっかあを死なせてしまったことを申し訳ないと思った気持ちは伝わったかどうかは分からない。くりやまつたけを届けたのがごんであることは兵十に伝わったことは解釈できた。
そもそもおっかあを死なせてしまったことを申し訳ないという気持ちは伝えたかったのであろうか。そこが疑問になった。
そこである子どもが、くりやまつたけの届け方に変化が現れていることを指摘した。最初は、「いわしを投げこんで、その後に自分のあなに向かってかけもどった」とある。申し訳ない気持ちはそれほど感じられない。しかし、その後、「(家に投げ込むのではなく)物置の方へ回り、その入り口に置いて帰った」とある。さらに、今の場面では、くりを固めて置いてあるのである。単に申し訳ないなら、ドサッと置いて行ってもいいのではないか。「固めて」置いている間に、兵十に見つかって、銃で撃たれるリスクもあったのに・・・。しかし、「固めて」置いたということから、おっかあを死なせてしまって兵十に申し訳ないことをしたという気持ちが、日ごとに強まっていることが分かる。したがって、兵十におっかあを死なせてしまって申し訳なかったという気持ちも伝えたかったのではないかと考えていた。
しかし、この気持ちは伝わったかどうかは分からない。
それも含めて「ばたり」と火なわじゅうを取り落としたという兵十の行動から、くりやまつたけを届けてくれたごんの気持ち(申し訳ない)も伝わっていると考える子も・・・。うーん。
火なわじゅうから出ている青いけむりがまだつつの中から細く出ていることから、ごんの命の炎はまだ消えていないのではと言っている子どももいた。
もう一時間考えてみよう。