複式国語「三年とうげ」

 3年下「三年とうげ」を通して、民話の仕組みについて子どもと学び合います。単元を貫く言語活動としては、第三次で民話を創作しますが、それよりも1時間1時間の「対話」を重要視しています。子ども一人ひとりが民話と対話し、ペアや全員でお互いに対話し、自分自身の学びと対話する。そんな授業を目指しています。
 この単元に入って2時間目の授業の様子を、一部(6分弱)ですがご覧ください。「三年とうげの」の組み立てを考える授業です。相手の考えを理解するために質問する。納得するまで話し合う。そんな主体的に考える子どもの姿を認めていただけたら嬉しいです。


 本校の今年の研究主題は「考える子を育む」です。そのために「問いがつながる授業」を目指しています。まだまだ途上ではありますが、実際に授業をご覧いただき、お互いを高め合う問いがつながる協議会ができればいいなと思っています。

蛇足ながら、昨日の小教研国語(高学年部会)に参加された皆さんへ
 来週の本校の研究発表会でご講演いただく佐伯先生の著書(『考えることの教育』国土社)の中に、「結果まねと原因まね」という考え方があります。「学ぶ」の語源は「真似ぶ」だと言われるが、「まねる」には2種類ある。ただ外側だけ、形だけをまねる「結果まね」と、なぜそうするのかまで考え、原因も丸ごと取り込んでまねる「原因まね」である。というような趣旨だったと記憶しています。
 一方、文部科学省の水戸部調査官が「単元を貫く言語活動」を提唱し、普及された意図は、従来の読解中心の「国語教育」を省みて、PISA型の読解力をつけるために、日本のどこでも最低限の国語教育を保障しようとしてマニュアル化することだったのではないでしょうか。
 もし私が「『鳥獣戯画』を読む」で単元を構成するなら、体言止めや「―」(ダッシュ)などの修辞テクニックを模倣して評論文を書くことを単元の柱に置いて指導する「結果まね」ではなく、つけたい言葉の力(指導事項)を明確にした上で、どんな言語活動をするか考える「原因まね」をしたいと思います。教科書教材「『鳥獣戯画』を読む」の価値は、筆者高畑さんのものの見方にあると、私は考えます。評論文というジャンルに初めて出会うであろう子どもに、評論文のおもしろさを味わってほしい。その読み方を知ってほしい。そこから単元を構成します。