伝統野菜を作る ~一本太ねぎは子の如し ~ 3年1組 研究発表会の様子より
11月14日の研究発表会では、たくさんの方々に参観をいただき有難うございました。
隠岐の島の方より、本時の様子を紹介して欲しいとご連絡をいただきましたので、少し詳しく紹介させていただきます。
11月14日(金)本校の研究発表会、1日目。
3年1組は、社会科の授業をしました。
「金沢一本太ねぎ」を取り上げ、伝統野菜を育てる工夫や努力、そして生産する人の願いについて学びました。
本時では、金沢一本太ねぎを生産する方が、苦労も多いのに「これからも作っていくよ!」と言われる言葉を受けて、
<なぜ これからも 金沢一本太ねぎ を 作りたいのか>
について考えました。
大きく、
① 伝統を守りたいから
② 広めていきたいから
③ おいしいから
と、3つの考えが出されました。
話し合ううちに、3つの考えは、それぞれに異なる意見のようで、実は思いがつながっていることが見えてきました。
これまでの学習や資料から、①と②については確かであろうことが読み取れましたが、③の「おいしさ」については実感がありません。
そこで、本時後半では、ねぎの食べ比べをしました。
伝統の金沢一本太ねぎと、最近たくさん作られている新種のねぎの食べ比べです。
食べる前に、2本を触ったり、匂ったりして比べます。
「あっ!一本太ねぎの方がやわらかい!」
「本当にやわらかいぞ!だから折れやすいんだ。」
「新種のねぎも太いな。育つのが早いんだ。」
「新種の方は、においが辛いね。一本太ねぎの方はそうでもない。」
と、観察から気が付いたことを次々に話し出します。
これは、食べるのだ楽しみだ!
一本太ねぎはおいしいに違いない!と、期待が高まったところで焼きねぎの登場です。
当日は、時間に合わせて、二人の保護者の方が焼いて調理をしてくれました。
素焼きにしたものに、軽く塩コショウを振っただけのものです。
さて、試食です。
「うまい!」
「やわらかい!」
「一本太ねぎの方が100倍おいしい!」
「ねぎ、嫌いだけど食べてみようかなぁ…本当だ、おいしい!」
「ぬめりがある。」
「こんなにおいしいのに、なんで作らんくなったんやろ?」
(様々な事情があって生産量が減ってきたことは既習済み)
と、試食しながら、子どもの思考は高速回転をして探究していこうとします。
こうして、③おいしいから についても検証を終えたことで、
「こんなに美味しいんだから、作り続けて広めたいに違いない!」
「こんないいねぎを無くしたくないからだ!」
と、自分の考えをより強く持ち、生産者の方に聞いて確かめたいという意欲が高まったのでした。
「問いがつながる」ということは、「問題解決への意欲が継続すること」と、考えている授業者の提案ができた授業でした。
そのための手立てとして、
(1) 体験的・問題解決的な学習を大切にする
(2) 学習の共通土台を整える
(3) 学んだことの価値を認識する
(4) 学びを生かしてチャレンジする
の4点を意識して指導にあたってきました。
私は今、33人の子どもたちと共に、生き生きと楽しみながら探究し、学べる幸せを味わっています。
素直で、前向きで、粘り強く学ぶことを楽しんでいる1組の子ども達の姿でした。
社会科の楽しさは、自分の持てるもの全てを使って全力で学べることです。
知力・体力・精神力などなど・・・
あたかも、仲間と共に力を合わせて、人生を切り開いていく楽しさを体感していくゲームのようです。
学ぶことの価値が高いですから、満足感と達成感が高いのも、社会科の特徴です。
みなさんも、こんなに楽しい、素晴らしい社会科をドンドンやってみてください。