3年 明かりをつけよう

 乾電池とどう線と豆電球をつかって明かりをつける学習のまとめとして、実践した「3路スイッチの回路のしくみをさぐる」授業。最初は3年生には難しいだろうと考えていたのですが、子どもたちは一生懸命に意欲をもって、友だちと協力しながら取り組んでいました。
 難しいと考えていたのは、「スイッチの切りかえによる回路の変化をどのようにつかませるのか」ということでした。生活経験から、家の1階でつけた明かりを2階で消すという体験は、ほとんどの子どもがしていました。考える足場は整っていたのです。しかし、それを小学生でも理解できるような教材として、しかも子どもの意欲を持続させるような教材とするところが大変頭を悩ませたのですが、様々な先生方の協力もあり、3路スイッチの模型をつくることができました。
 実践の結果、課題もありました。考えを共有する手段が十分ではなかったため、一人一人の考えを深めることができなかったことです。「私の考えはごらんの通りです」と図や絵に表して表現させる手だてが子どもにあれば、スイッチのしくみを理解することが難しかった子どもも自分の考えをもてたと思います。きっと、子ども自身が自分の考えを巧みに表現できれば、それを聞いている子どもからも「問い」が生まれ、それを「つないで」課題に迫ることはできたと考えています。
 理科は、問題解決的な思考を用いて、様々な自然事象のしくみを科学的に解き明かしていくところに面白さ、楽しさがあると思っています。その面白さ、楽しさを「問いをつなぐ」という観点から追求し、ねらいに迫っていく学習を今回心がけてきました。「明かりをつける」学習はまさに子どもの面白さ、楽しさがつまっていました。その教材をもう一工夫して「3路スイッチのしくみを考える」としたことで、そのしくみに「問い」をもち、お互いにつないでいた子どもも見られました。そこは評価できることだと思っています。理科の楽しさを子どもに伝えられる授業をめざしたいと強く思った実践でした。