5年2組「単位量あたりの大きさ
「みんなの考え方を比較したり、共有したりして自分に使える方法を見つけていく楽しさ、単位量あたりの大きさの有用性に気付く楽しさ」を1.2時における学ぶ楽しさと設定し、授業を組んだ。平均で「ならす」体験をし、平均からだいだいの全体を知ることができることもわかり、平均って使えそうだと感じていた子どもたちが、単位量あたりの問題に取り組んだ。
「混んでいる」ことに焦点をあて、マット数や畳数と人数のどちらかをそろえれば比べられることから公倍数の考えへと導こうとした。しかし、子供たちは、すでに単位量あたりを出す方法を知っていて、ノートへの自分の考えがほとんどが割り算で処理がされていた。そこで、あえて、そこから考えを出させていくことにした。1まいあたり、1人あたりの式を出して比べあうのもとくに迷うことなく話し合いが進んでいった。その後、あえて公倍数の考え方を出すことで、なんかややこしいという気持ちになったらしく、自分に使えるものはとペアで話し合わせるとやはり、割り算式を選ぶ子ばかりだった。
違う場面でもそれが使えるのかやってみたのだが、できたので、確信をもったようだ。ひき算ではだめなのかとゆさぶろうとしたときに、「ここでは」とひき算の話が思わず出てきた。手立て(2)考えを洗練していく話し合いでは、「自分で使えるもの」という点でペアトークをさせているが、そこでそれぞれの考えを語り合うことで違う場面への意欲も高まるので、とても重要であり、そこから違う考えへも発展する。
学ぶ楽しさとしては、自分たちなりに話し合え共有しあっている様子は見られた。しかし、公倍数の考えをもっと引き出すためには、問題の数字をもっと小さくしたりするとよかったのではという意見を参観者のかたから意見をいただいた。手立て(1)算数のよさや美しさに気付く足場作りとして、問題の提示の工夫、問題の内容の工夫をした。どれも有効であったが、問題の吟味はまだまだ必要であるようだ。
また、2日目には、1日目で何の疑問もなく流れた単位量あたりの式について、「?」という意見が出た。その「?」から新たな「?」も出てきて、子供たちはそれぞれのイメージを拡げながら、意見を共有しあった。イメージを拡げることは、算数科でとても必要であることを改めて感じた。一般化へ向けて考えを洗練していく上で、具体にもどったり先に進んだりといったりきたりすることは大切である。そういう中で、イメージが膨らみ身の回りに算数を見出す楽しさにつながるのではないかと感じた2日間であった。