4年理科 物の体積と温度

4年1組の理科では、ベン図を使って2つの事象を比較するということをしています。ベン図は、2つの事象の共通点と相違点を明確にするのに便利です。
前単元「閉じ込めた空気と水」で明らかになった空気と水の性質をベン図にまとめました。



そして本単元「物の体積と温度」においても空気と水の性質を調べ、上のベン図に書き加えるべく、実験を進めました。
単元のはじめに、試験管に石けん膜を張ったものを握って膜を膨らませる実験をしました。



はじめは膜が膨らむ様子をおどろきながら何度も見ていましたが、そのうち、「試験管があたたまって空気があたたまるから膜が膨らむはずだ」と、予想し始めました。そこで、どうすれば確かめられるか問うたところ、「空気をもっとあたためたら、もっとふくらむはずだ。それを確かめたい」と言うので、お湯で試験管をあたためる実験をしました。


「やっぱり!大きく膨らんだ!」ということで、空気があたたまると膜が膨らむと結論付けることができました。そして、「あたためられた空気はどう変化したの?」と問うと、大きくわけて2つの予想が出ました。


「空気はあたためられると体積が大きくなる」と「空気はあたためられると上昇する」の2つです。どんな実験をすれば、明らかにできるか聞いたところ、様々な実験を子どもたちは考えましたが、まずは、試験管を逆さにして実験してみることにしました。


試験管を逆さにして実験したところ、膜は膨らみました。ということは、「あたためられた空気は上昇する」という予想は違っているということになります。多くの子がそれに納得していたときに1人の子どもが、こう言いました。「いったん空気は上昇したけど、上が閉じているから下にいったんじゃないかなぁ。」この考えで、よくわからなくなってしまった子が何人か・・・。そこで、次は筒の上下に膜を張って実験しました。


「あたためられると体積が大きくなる」と予想していた子は、上下両方膨らむはずと考えています。「空気が上昇する」と予想していた子は上だけ膨らむはずと考えています。実際は・・・。


上下両方とも膨らみました。また、筒を横に倒して実験すると、左右の膜も膨らみました。これらの実験から、「あたためられた空気は上昇する」という考えはちがっていたということがわかりました。
しかし・・・



これらの実験では、「あたためられた空気は体積が大きくなる」ということの証拠にはなっていません。そこで子どもたちは「袋をあたためて膨らめば明らかになる」と言うので、結果のわかりやすいマヨネーズの容器にお湯をかける実験をしました。


「思った以上にパンパンになった」「やっぱり膨らんだ」と口々に言っていた通り、マヨネーズの容器は膨らみました。これらの実験結果をまとめると・・・



と結論付けることができました。
子どもたちは、「ああためると体積が大きくなったんだから、冷やして小さくしてみたい」「空気は冷やされると体積が小さくなるはず」と言うので、試験管を冷やす実験もあわせてしました。


「膜が下がっていった」「やっぱり、体積が小さくなった」ということがわかったので、最終的に・・・



と、納得することができました。

子どもたちは、空気の体積と温度の関係を、自分達で実験を計画しながら明らかにすることができました。ふりかえりからは「自分で考えた実験で確かめるのが楽しかった」「予想と違っていたのがくやしいけど、よくわかった」など、それぞれの学びを読み取ることができました。学ぶ楽しさを味わう授業によって、考える子を育んだ結果だと考えています。

この後の授業は、ベン図に書き込むには、水と体積の温度の関係を明らかにすることが必要だ!ということで、実験をすすめました。