1の1&つき組 生活科「みんなが楽しめる うきうき どっきどきの あきの おみせを つくろう!」

 研究発表会2日目の幼小連携授業では、幼稚園のつき組(年長)さんと一緒に「秋のお店屋さんづくり」を行いました。

 自分たち(1年生のみ)でお店をつくることから始まったこの活動では、秋のものを使って、「うきうき どっきどき」するお店になるように、お互いチェックをし、つくり直し、またチェックをし…と試行錯誤しながらつくり上げました。つき組さんを招待し、「どのお店も楽しかった~!」と、とっても喜んでもらい、自分たちも大満足♪で終わったはずでした。
 しかし翌日、幼稚園さんのつくったお店に招待してもらい、自分たちのお店以上にいろいろな工夫がしてあることに驚き、「自分たちのお店をもっとレベルアップさせて、もっと楽しいお店にしたい!」「船づくりの時みたいに、つき組さんとも一緒に作りたい!」という思いが膨らみました。
 そして、「おかしや」「どんぐりあるき」「どんぐりころがし」「くじびき」「おふろ」「まとあて・しゃてき」「どんぐりしょうぎ」「おばけやしきめいろ」の8つのお店をつき組さんと一緒につくることになりました。つき組さんと一緒に何かをつくるのは、9月に行った『船づくり』に次いでこれで2度目です。そのときに比べると、お互いの思いを出し合ったり、力を合わせて一緒につくったりすることが、だいぶ上手にできるようになってきました。
 前時では、実際にお店屋さんごっこをし、お客さんから「どんなところが楽しかったのか」「どんなところをもっとよくしたらいいのか」を付箋に書いてもらいました。つき組さんにもインタビューし、答えてもらいました。それらを分類・整理しながら、グループ内で「こういうところを直して、こんなお店にしたいよ!」という本時に向けてのめあてを共有しました。



 研究発表会当日では、それぞれのお店に分かれ、1年生もつき組さんも、みんなが楽しめるお店づくりを目指して活動しました。グループごとに話し合っためあてに向かって、お店づくりスタートです!!気持ちが一つにまとまっていて、さっと活動に入れたグループもあれば、前時に書いた付箋を見返しながら、何をするのかを確認するグループもありました。
 「おかしや」では、「かざりのどんぐりがすぐにはずれてしまう。」という問題についてグループで話し合い、「ホットボンドでくっつける。」という解決策を考え、活動することになりました。今までホットボンドを使ったことがなく、一体どんなものなのかが興味津々の園児に対し、「とっても危ないから、お約束を守ってね。この先の部分は熱くなるから絶対に触っちゃだめだよ。…」と、つき組さんにケガをさせまいと一生懸命に説明する1年生。その話を同じように一生懸命に聞きながら、ホットボンドを丁寧に扱う園児…。自分の活動に没頭しており、1年生とつき組で分かれて活動をしているグループもありましたが、この「おかしや」グループの姿は、本時のねらい「自分の思いをわかりやすく伝えようとしたり、相手のしたいことや思いを汲んでかかわったりするなど、相手意識をもって活動することができる」や、本時の学ぶ楽しさ「お互いに気持ちを通い合わせながら活動する楽しさ」そのものだったなぁと感じました。
 ふりかえりの時間には、最初につき組さんからの感想を聞き、それを受けて1年生からの感想を交流する場を設けました。つき組さんの率直な気持ちを聞くことで、相手意識をもちながら自分のかを振り返ることができました。1年生のみでのふりかえりでは、前時と同じように付箋を用いて気付きを交流しました。気付きを可視化させたことで、園児と分かれて活動してた子も、実は園児のことを気にかけながら活動していたことが付箋に書かれた内容から見とることができました。また「お店屋さん」「お客さん」の2つの立場、「うまくいったところ」「うまくいかなかったところ」の2つの視点をかけあせた4色の付箋を1枚の模造紙上に貼りました。色別の付箋を用いたことで、本時の活動によって得られた成果が一目でわかり、子どもたちは満足感や達成感を感じたようでした。さらに「○○さんがつき組さんにやさしく教えてあげていて、よかったです。」とグループ内の友達の成長を感じ取り、その成長を自分のことのように喜ぶ姿も見られ、とてもほほえましく思えました。



 分科会では、子どもたちの活動する姿について、具体的なエピソードをたくさん教えていただきました。グループ活動を主に活動していたため、子どもたちが一体どのような姿で活動をしていたのか、友達や教師とのかかわりの後、どのように変容したのか、参観者の方々のおかげで今一度詳しく見とることができました。ありがとうございました。参加者の方から「年度当初から継続的に交流活動を行ってきたことが、子どもたちのかかわりをより充実したものにしているのでは?」、「お世話をするという立場ではなく、共に楽しむ立場でかかわっていたのでは?」というご意見をいただき、子どもたちが相手意識をもち、活動できていたことを再認識することができました。
 本単元では、付箋による気付きの交流を行うことにより、子どもたちの主体的な活動が生まれるように仕組んできました。それに加え、ふりかえりの場面においても色の変化から達成感を感じたり、書かれている内容の吟味から子ども自身が自分成長を認識するためのツールとして活用できたりするのではないかということが見えてきました。今後は、その付箋を次にどう生かしていくのかについてもっと詳しく探っていきたいと思います。
 たくさんのご参加、ありがとうございました!