3年社会(情報教育)がっちり!もうかるコンビニをどこに建てたらいいかな

 情報学級では,社会科「店の人は,どんなくふうをしているの」の単元を,情報教育ならではの視点で授業をデザインしました。コンビニエンスストアの立地条件を考え,より利益が上がりやすい条件を提案し合うことから,販売に関する仕事への認識を深めます。情報教育としての手立て「思考スキル活用」「ICT活用」と共に,私が考える指導の肝である「学ぶ必要感」「伝える技術」を取り入れて指導を行いました。

指導の手立てと授業の実際及び考察
・生活に即した身近な課題を設定する
 身近であり,自分の生活に直接つながりがある課題は,解決への動機付け,学ぶ必要感が高まります。コンビニエンスストアが出店する条件を探り,実際のインタビューやiPadによる情報収集は学ぶこと自体の楽しさを感じることができ,継続的に意欲関心を高める学習となったと考えます。

・情報を収集整理するために思考スキルを選択する
 儲かるコンビニの立地条件は?いろいろ思いついたり家族からアドバイスを受けたりした情報を絞っていく必要があります。各班はこれまでに学習した思考スキル(収集,分類,順序化)を活用し,もっとも重視する視点を見出しました。

・得られた解を還元する
 かつてはコンペティション形式を取り入れた授業を構成していましたが,それでは自らの発表内容が唯一とし,他の意見を取り入れることがありません。そこに考えを組み合わせて収束していく学び,協働の学びは見られませんでした。そこで,自分たちのアイデア:子どものアイデアには当然限界があるとし,大人(コンビニの関係者)が納得できるくらいのアイデアを導き出すことを目標としました。すると,多くの意見を聞くことも苦ではなくなると共に,アイデアが質的に向上していく(上昇スパイラルに乗る)さまに楽しさを感じることになりました。

・メディアを活用して情報を収集・提示する
 自分たちのテーマに沿った情報をiPadで収集しました(ウェブ,インタビュー)。これらの情報を,自分たちのアイデアを説明するために使用し,ロイロノートでプレゼンテーションを作成しました。


・「伝える」ことを重視する
 いくら学ぶ必要感にのっとり,主体的に学習を積み重ね,目が覚めるようなアイデアを準備できたとしても,それが他者に伝わらないのでは全く意味を成さないと言えるのではないでしょうか。そこで,プレゼンテーションの技能面を指導しました。ともすれば軽視されがちな発表技術の習熟を図ることで,他教科での学習はもちろん,今後に役立つ生きる力のひとつとしての活用を期待します。

まとめ
 互いの考えを聞き合い,参考にしてより良い解を構築していくことが私の考える学びのスタイルのひとつです。故に,相手の発表を注意深く聞き,自分の考えと比較検討する能力が必要ですが,このために特別に学習時間を割くことは現実的でなく,普段の教科学習において意識的に取り入れていくことを工夫したいと考えます。


・今後について
 学習事項を既習として新しい学習に生かす姿勢と共に,協働し学びを深めていく態度そのものを重視したいと考えます。学習を自らの成長につながる意味のあるものとして認識することが本来の学びであり,これを避けて技術のみを追求する研究では学びそのものが机上の空論に帰することを常に肝に銘じたいと思います。


 さて,以上で研究発表会での各指導者の公開授業の振り返りは終了しました。12月からは新たな研究への模索と共に,各学級の子どもたちの学びの様子をお知らせしていく予定です。どうぞご期待下さい。