英語におけるReflectionについて考える

 今回は,授業における「reflection」について考察します。
 英語では,学習の最後にその日の学習で気付いたことや思ったことを発表しあっています。
英語表現への気付き,他者理解,異文化理解などその日の学習のねらいによってシェアリングの視点を与えます。
 しかし,子どもの思いは教師のねらい,教師が聞きたいことにおさまるものではありません。
漠然とした聞き方では,子どもの感想を広くとらえることができる反面,共通する視点ではないため比較したり共感したりすることは難しくなります。
 子どもが自分の気付きや思いを出しやすい雰囲気を作ることと同時に,他の発言からもう一度自分の気付きや思いをふりかえることができるように工夫することが重要ではないかと考えます。
 今日の5年生の英語は,新しい単元に入っての1限目。食べ物を表す表現を知り,活動を通して,その表現を聞くことや言うことに慣れる学習でした。
 授業中のシェアリングでは聞いて意味が分かった表現や言えるようになってきた表現を出し合いました。また,言うことが難しいと感じた表現を子どもに聞いて,その表現をクラス全体でreviewしました。
  学習は,キーワードゲーム,クラッピングゲーム,ビンゴゲームによってlisteningからspeakingへと移行する内容でした。ふりかえりの視点があいまいだと「楽しかった。」「おもしろかった。」といった内容にとどまってしまいます。
 そこで,ワークシートでは「言えるようになった食べ物の名前を書きましょう」という欄を設けました。一時間での自分の学びを明確にするための問いかけです。食べ物の名前を日本語または英語で書くことで量的に学びを自己評価できるように工夫をしました。





 上のワークシートからわかるように,子どもは言えるようになってきた単語を書くだけではなく,「~が難しかったけど,しっかり勉強したら言えました。これからもたくさん~言えるようになりたいです。」「~が言えるようになりました。」「~の発音を言えるようになりました。」といった課題を乗り越えたことに対する達成感や次への学習意欲,発音への気付きなど,自分の「問い」「こだわり」をもとにしたふりかえりをしています。
 教師は,授業での子どもの姿を瞬時にみとっていくとともに,reflectionを工夫することによって表面に現れにくい子どもの学びを丁寧に見ていき,次の学習に生かしていくことが不可欠となります。
 どのように尋ねることで,子どもの声を拾うことができるのか,子どもの思いに沿っていくことができるのかを追及することが「楽しみ」になってきます。