5の1 国語「生き物は円柱形」
本時のねらいは,読み手に伝わりやすくするための文章構成や例,例外,説明の順序性などの筆者の説明の仕方を読み取ることができると設定しました。
単元を通して子どもが「学ぶ楽しさ」を味わうために3点の手だてを設定しました。①「見立てる」→「生き物は円柱形」の説明のアイテムを見つけていくこと ②ペア学習をしたり,相互指名による全体発表をしたりして交流すること ③自分の学びを次へと生かすこと です。それぞれの手だてについて,子どもの姿をもとに考察します。
(1) 言葉との主体的な対話を促す
本時では,課題を「説明の工夫を見つけ,その効果について考えよう」と設定した。「見立てる」の説明文で見つかった説明の工夫を想起させることで,「生き物は円柱形」の本川さんの説明の工夫を見つけやすくするように手だてをとった。ブラインドで隠してあったのですが,子どもたちは「見立てる」の学習で見つけた説明の工夫を思い返して発言することができた。そのことにより,「見立てる」と同じ説明の工夫を本時では見つけることができたので,発言できた子にとっては学ぶ楽しさを味わうことができていたように感じる。しかし,その場で意見がなかなか出なかった子どもにとっては既習が身についてなく楽しさを感じることはできなかったように見取った。
(2)他の考えとの協働的な対話を促す
筆者の説明の工夫とその効果について発表する場面では,子どもたちが事前に一人学びしてきていることで,自分の考えを発表することができた。しかし,説明の工夫を見つけてきた子どもは少なかった。そのため,子どもたちに今から音読して説明の工夫を見つけるのはどうかと提案することにした。すると,音読をせずに話し合いたいという声が上がってきた。そのため,隣とペア学習をして交流することにした。ペア学習の後,全体に意見を求めたときにはペア学習前に手を挙げた数よりも手を挙げて発表しようとする子が多かった。その場の見取りから判断して行ったことであったが,ペア学習を取り入れたことで自信をもって活動する子が増えたことは学ぶ楽しさを感じた結果ではないかと考える。整理会では,子どもたちに説明の工夫をいくつ見つけられそうかを問い,子どもに意欲をもたせる提示の仕方をすればよかったのではないかという助言をいただいた。子どもが説明の仕方を見つけたくなるような提案の仕方の仕掛けを今後も丁寧に考えていきたいと思った。
(3)自分の学びと省察的な対話を促す
授業の終末に次の視点を与えてふり返ることができるようにした。
①今日の課題に対する自分はどうだったのか
②友だちと交流することで新しく学んだことはあったのか
③これからの生活に生かしていきたいことはあったか
視点を与えることによって,子どもが課題に対して理解したのかどうか,友達の意見についてどんなことを考えて聞いていたのか,これからどんな風に生かしていきたいのかがあゆみの日記に書けるようになっていった。自分の学びを実感できることによって,学ぶ楽しさを味わい,意欲をもって次の学習へとつなげることができると感じた。今後は3つの視点を与えなくてもこの視点を意識したふりかえりができる子どもたちになっていってほしいと考える。そのためにも日々このふりかえりを授業の終末にできる時間をきちんと確保していきたいと思った。