6の3 体育 「ベースボール型ゲーム」


 1学期に行ったベースボール型ゲームでの子どもたちの様子を紹介します。
 ベースボール型ゲームは、相手チームと攻防を交代しながら得点を競うゲームです。附属小学校では、休み時間にベースボール型ゲームをして遊ぶことができないので、子どもたちは経験が少ない子が多いです。どの子にも楽しく運動してもらうために次のように行いました。

(1)特性・魅力を味わうルールと場づくりをする
経験が少ない子も楽しむことができ、そしてチームの一体感を感じられるようにルールや道具の工夫をしました。
①新聞ボール
 新聞紙1枚をソフトボール大に丸め、ガムテープでまいたボール。練習時にのみ使用。体に当たっても痛くないので、ボールが怖い子も怖がらずに使っていた。たくさん作ったので、練習ではたくさん使うことができ、限られた時間の中でどんどん打って、打つ楽しさを味わっていた。
②打つ際にはバットとラケットから選択できる
 バットではボールを飛ばすことが難しい子は、テニスラケットを使うこともできる。打つことができなければ楽しむことができない。バットに比べ当たる面が大きいラッケットを使うことで、打つ楽しさを味わえる。空振りで終わってしまう子は少なかった。バットを使った方が遠くに飛ばせるため、慣れてきたらラケットからバットに持ち替える子がいた。
③守備時アウトをとるにはベース横にあるフラフープに3人集まって「アウト」と言う
 走者に進塁されたくないベースに集まらなければいけない。そのため、打者の動きを見ながら先を読んで動く。3人集まらなくてはいけないので、仲間同士声をかけ合っていた。だんだん動き方が分かり、チームの息も合ってきて、アウトをとったときには仲間で喜び合っていた。

(2)考えや動きのイメージを共有できるようにする
①チーム専用のホワイトボードを渡す
 チームのみんなが考えを共有できるようにするためにホワイトボードを使った。ホワイトボードに残すことで、話し合いの中で消えていく言葉や考えが、目で見て分かりイメージの共有に有効であった。ホワイトボードを教室に持ち帰って話し合いの続きをしたり、授業の最初に前回を容易にふり返ったりすることができた。
②話し合う内容を3点にしぼる
 話し合う内容を、チームの課題、チーム練習のねらいと内容、ふりかえり、の3点とした。話し合う内容を明確にしたことで、短時間でイメージを共有できたり、チーム全員が同じ必要感とねらいを持って練習に取り組んだりすることができた。

(3)動きの変化を実感できるようにする
 ふりかえりで話し合う内容は、練習の成果と課題とした。ゲーム中だけでなく、練習中の成長にも気付くことができ、「ゲームは負けたけど、前と比べてここは上達したよね。」など認め合う姿が多く見られた。結果だけにとらわれず、動きを見取る目を養うことができたのではないかと考える。認め合いは、チームの一体感を感じることにもつながり、チームの絆を強めているように感じた。

 以上のように、授業の取り組みについて子どもたちの姿から省察することで、今後の授業に生かすことができます。これからも取り組みと省察を繰り返し行っていき、子どもたちにとって楽しくて成長できる授業を目指していきたいと思います。


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