3年 【道徳】 つよいってどんなこと?
11月18・19日の本校研究発表会では、2日目に1-(5)個性伸長「つよいってどんなこと?」を行いました。
たくさんの方に参観していただき、とてもうれしい気持ちになりました。
ありがとうございました。
その後の分科会では、貴重なご意見・ご助言をいただきました。
「見取り」の大切さやそこからの「省察」を研究の重点としながらも、
まだまだ足りないところだらけだったことを教えていただき、次への力をいただきました。
本時では、子どもに味わわせたい「学ぶ楽しさ」を3つ取り入れ、それぞれについて手だてを講じてみました。
【手だて1】心に響く資料との出合いを仕組む
「あ!自分と同じだ」と共感できることが学ぶ楽しさにつながると考え、導入では事前アンケートを提示することにした。
自分のことを「つよい」と思う 7人
思わない27人
「え~っ!?」「27人もいる!」のつぶやきから、子どもたちの関心がどこに向かっているのかを見取ることができた。つよいと思わないと答えた27人だけでなく、7人の子どもからも「本当はぼくも・・・」と本音が出され、資料の人物への共感がしやすくなった。
以前から、アンケートによる導入は試みてきたが、これによるメリットはアンケート結果の中に自分が位置づいていることで、資料や友だちに共感しやすくなったり、違和感が生まれたりすることだろう。マイナスの体験や本音を出しにくい価値について学習する際には、有効であるとあらためて感じた。
【手だて2】心の揺れと多様な考えの交流を仕組む
資料を通した展開の場面では、まず「つよい」についての捉えを整理した。「つよい」をいろいろな視点から捉えることで、自分にも「つよさ」があることに気付かせたいと考えた。それと同時に、自分に足りないものを感じることで、「よわさ」にも目を向けさせることができる。そこで、心の揺れが生まれるだろう。「よわいことはダメなこと?」という切り返しの発問は、心の揺れをさらに強くするための発問だった。
つよさからよわさへ視点を移すうちに、A児から「ぼくなんか悲しくなってきた」というつぶやきがもれた。つよさの理解を進めることで、自分を重ね合わせて不足感を感じ、不安になったのだろう。授業では、「強君(資料中の人物)とAくんの悩み、何とかしてあげたいね」とつぶやきを拾って、全体に広めた。より共感し他の子どもたちも自分を重ね合わせてほしいと考えたためだったが、その後A児が、前向きに考えられるまでには至らなかった。
この理由として、分科会でいくつかのご指摘を受けた。
・1時限に学習する内容が多すぎた
「つよい・よわい」の知識理解やとらえ直しをしっかりした上で、自分を見つめ直すことが必要である。1時限ではなく、2時限に分けて価値について考えていけばよかったのではないか。
・アスプロ思考(本校の研究)で心の揺れを生むための土台が固まっていなかった
「つよい」についての多様な捉えはしたものの、本時でねらうつよさはその中のどれなのか、しぼることができていなかったため、子どもたちの意識が少しずつずれたまま話し合いが進んでいった。「やさしければいい」「良いつよさと悪いつよさがある」などの子どもの発言を的確にとらえ、クラス全体でその考えに乗っかり、共有することが、子どもにとって無理のないアスプロ思考につながっていくのではないか。
【手だて3】変わる自分をイメージさせる
授業後段では、一人一人が「自分のよわさだ」と感じることを見つめ、個性のとらえ直しをすることで自己を肯定する楽しさを味わえるよう、リフレーミングの活動を取り入れた。
子どもたちは、人のためになる「つよさ」と自分のための「つよさ」があることや、よわさも考えようによってつよさになるということは理解していたようだが、自分らしさと向き合うまでに至らなかった。分科会で指摘していただいたように、今後は、学習のねらいを精選し、2時限構成の学習を組み立ていくことも大事であると感じた。
たくさんの方に見ていただき、分科会では、授業の中の具体的な子どもの姿をあげながら意見交換ができました。授業者の「見取り」の狭さや未熟さを痛感しましたが、今回教えていただいたことで、これからの子どもたちへのアプローチを少しずつ多様にしていけることも実感しました。共同研究者の先生や参観者の方からいただいた言葉を大切に、また明日から道徳がんばろう!と思います。
本当にありがとうございました。