1年 道徳「相手の気持ち」2-(3)友情
考える子を育むために、道徳では「アスプロ思考」する場面を意図的に取り入れています。「アスプロ思考」とは、本校で生み出したオリジナルのものです。自分の最初の思いから、いったん離れて他の思考についても肯定的・論理的にとらえ直します。そして、吟味をし、結果どうするかを再考します。この一連の思考の流れを「アスプロ思考」と名づけています。
参観してくださった先生方からも、「参考文献は?」「ネット検索したのですが・・・」とご質問をいただきましたが、本校が発祥なので、「アスプロ思考」はどこにも載っていません。
先日の研究発表会では、日本標準の「いっしょにやろうよ」という資料をもとに、考える道徳の授業をしました。
なわとびの苦手な「よしこさん」を入れてあげるかどうかをテーマに「アスプロ思考」で考えました。
「よしこさんを入れてあげる」と考える子は赤の帽子、「入れてあげない」と考える子は白の帽子をかぶって話し合いをしています。今回はほとんどの子が赤の帽子だったのですが、迷っている子もいたので、迷った子は帽子のつばを白にしました。
このように立場を可視化することで、子どもは話しやすくなり、自分とは違う考えにもふれることができました。
この授業は、始まる直前に今回の資料と似た事件が起きました。開始のチャイムを待っている時間にクラスのみんなでしりとりをしました。緊張のあまり、言葉が思いつかないAさんに対して、こっそりヒントを出すBさん、「Aさんをとばして次の子にしよう」と提案するCさん。まさに「仲間はずれ」が起きそうな場面でした。結局、AさんはBさんに聞こえる声で答え、Bさんがみんなに大きな声で伝えてくれました。
授業の終盤でこの出来事を取り上げれば、よりよい自分の生き方について考えられたのではないかと、ご指摘をいただきました。まさにそのとおりだと思いました。共通体験を大事にしていたのに、この授業で生かしきれなかったことは悔やまれました。
後日の道徳で、このしりとりを想起させ、「あのときの自分たちは仲間はずれをしようとしていたなぁ」と気づいていました。少しずつ、どうしたら「よりよい自分」になれるか考え始めた一年生でした。
ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。