4年3組国語「ごんぎつね」①

研究発表会には、遠方よりたくさんの方々にご参観いただきましてありがとうございました。
充分な検討の時間を取れなかったことが心残りではありますが、ご教示いただいた言葉を咀嚼し、自分なりに2時間の授業をふり返ってみました。



1日目。読み聞かせの場面です。読み比べることで、個々の児童が新たな視点から「ごんぎつね」と対話することを促しました。詳細に至るまで比較するには、もっと「きつねのおきゃくさま」を読み込む時間が必要だったのですが、終わり方に絞って「ごんぎつね」を読み直すには、これでよかったのだと思っています。写真に見られる児童の表情から、充分に作品世界を味わっていることがうかがえます。





口伝との比較や作者に関する情報を与えて、物語の外から「ごんぎつね」を読み直すことを促しました。写真は、そのときの児童の対話の様子です。授業後に、参観されたみなさんから次のようなコメントをいただきました。
・互いの意見を補ったり、反対する子ども達の活発な様子が印象的でした。根拠を挙げるときも、話の内容が完璧に子ども達の頭の中に入っていると感じました。
・子ども達が積極的に発言していて、私の担任するクラスにはないものがあると思いました。「ごんが兵十と一緒に住みたい」とか「わかり合えたらいい」とか、深いところまで読めている子がいました。
・授業が進んでいくうちに、子ども達同士で疑問点を出し合い、解決していこうとする姿が印象的でした。また、先生の発問も子ども達に考えさせるものが多く、深い学びに繋がっていると感じました。
・子ども達が生き生きと授業に参加していました。
・子ども達の積極的に発表している姿が印象的だった。大人が聞いても深いと感じるところまで物語を追求していて圧倒されました。
・授業の最後の方の「分かり合ったのは誰か?」という問いに対して、「読み手」と子どもが答えたときに、子どもから「あーん、なるほど」と声がもれたり、ナゾがとけたようなその時の子どものスッキリした顔から、これこそが学ぶ楽しさなのではないかと感じました。
・「ああ、そっかあ!」といった反応や、他の子からの意見で自分の考えを見つめ直す場面が見られて、子ども達が「考える」ことに、学びの時間に自ら入っていっている印象を受けました。



時間は短かったのですが、班での対話を促した場面です。実は、一斉形態での児童の思考の流れが滞り、次の一手をどううつべきか私自身が迷った場面でもありました。多少、曖昧な指示での活動でしたが、児童の話し合いの様子から、その後の授業の流れを修正しました。参観された方から、「教師である私自身にもゴールが見えない授業だった」と指摘されました。授業は生き物です。決して予め教師が用意したゴールに辿り着かねばならないものではありません。結果として、国語の力がつくのであればよいと考えています。子どもも大人もワクワクするような、未知の世界を切り拓いていくような授業を目指しています。